ウィーン7日目 クリムトと対面 残酷な「こうもり」

  • 2012.03.06 Tuesday
  • 05:10
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2月20日、再びハイリゲンシュタットに。

カーレンベルクは昨日よりも見通しがよかった。




日曜にミサをしていたグリンツィング教会。







この日は、ベートーヴェンの散歩道に向かう。



シューマッハー

つまりは靴職人。 靴屋さんか。


ここがベートーヴェンの散歩道らしい。
なんというか。


普通の住宅地の路地だった。

なんか世田谷区にこんな雰囲気の場所があった気がする。


立派な家


次はベートーヴェンの家探しやハイリゲンシュタットの遺書を書いた家などを訪れようとしたが、
定休日だったり、看板だけだったりあまり収穫がなかった。
















歩いて、駅に向かう。

駅前には1929年に建てられた集合住宅。カール・マルクス・ホーフ。







中心地に戻り、自分を慰める。

カフェ巡り第6弾、本命のザッハーに突入。








テーブルの上のメニューもお洒落だ。これは売ってくれないのかダメもとで聞いたところ、ショップの方で売っていると言われた。でも高かったのであきらめた。    


インテリアもザッハー



ザッハートルテに完敗しました。ほかの店とは全然違う。
この後日、お土産にホールで三つ購入。

















午後は日曜日にあきらめたベルヴェデーレに行った。








池が凍っていたので、さながら氷上の宮殿。






目的は、クリムトの「接吻」を見ることだったが、一階に展示されているのゴシック調の宗教画に思いがけず目を奪われる。

何人もの画家の「キリストの磔刑」があったが、そのうちの一枚の衝撃のすさまじいこと。

様々な意味合いを含むかのようなキリストの苦悶の表情、くっきりと描かれた傷口と鮮血、滴。

思い思いの戸惑いの表情をした周囲を囲む民衆。

何かに覚醒したかのように、燃えるような目でキリストをにらむ馬上のりりしい兵士。

その馬さえも少し哀れみのような不思議な表情。

両手をいっぱい広げたほどのカンバスに全てが、くっきりと意味を持って刻まれている。

その一瞬のもつ恐ろしいという言葉では被いきれない緊張感。はじけて全てが暴力に変換されてしまいそうな涙、畏怖、憎悪、そして愛、愛、愛。

もしかしたらこの画が今回の旅の一番の収穫だったかもしれない。

今でもあの兵士の表情は目に浮かぶ。自分はあの表情で在りたい。


二階のクリムトも本当にすばらしい。正直絵のことはよくわかっていないが、
形容しがたい、混濁して分厚い色合いの歴史のラインの上に
ウィーンの文化が乗っていることを思い浮かべた。

歴史とそれを生きて死んでまた生きてきた人の肉と骨を包むような空気が接吻のカンバスに漂っていた。優しく力強い金色だ。

結局閉館時間まで居座り、外は暗くなっていた。
開演時間を勘違いしていたことに気が付き、あわててフォルクスオーパーに向かう。

開演10分前に電車が駅に着く。
会社員らしい人たちが、何人も走る走る。
ウィーンで人が走っているのを始めてみた。一緒に走って5分前に到着。


今日は、あまり観光客らしい人を見かけない。日本人も椿姫の時ほど見かけない。

とうとう見ることができた。

J・シュトラウス こうもり


後でプログラムを見ると、アデーレ役のEva Liebau嬢はこの日フォルクスオーパーのデビューであったらしい。
そういえば確かに会場からはなんとなく新鮮な雰囲気を感じたが、本当に立派にそしてキュートな演技だった。
彼女に限らず、男も女も全てのキャストがそれぞれキュートに、癖のある時には間抜けな役回りをするのだが、それでいてなんというか、クールというか、全てがかっこいいのだ。

ピットのオケもすばらしい仕事をしていた。
すぐ間近で見ることができ、弾き方や音響などとても勉強になった。







休憩中は、地元の人たちが会話を楽しむ場となる。楽友協会もそうだった。

とくに楽友協会ではなかなか客が席に戻らない。それで手押しの鈍い音のブザーが何度も会場に響くのだが、3回目ぐらいにひっきりなしにブザーが鳴り、渋々客席につく姿が微笑ましかった。







舞台もオーケストラもすばらしい。歴史をつくってきた客がさらにそれを包み、それでこのオペラ劇場は完成している。

途中でふと、寂しい気持ちに気がつきそれがどんどん大きくなってしまった。
後ろの席の女性とその息子であろうか若い男性が、舞台を見て会場の笑いと一体化している。暖かい突込みを舞台にする声が時々聞こえる。

おそらく自分は彼らの1割程度もわかっていないのだろう。暗黙の了解ではあるが、明らかに大きな壁を感じた。ここは自分の居場所ではないのだ。
言葉がわかったとしても、生まれてから常に劇場とこの誇り高い「こうもり」に接してきた人間にしかわからないことがある。

欲しくてもこの世界は持ち帰ることができない。


今回の旅でこの会場は今日が最後。つぎはいつ来ることができるのか。






談笑して、寄っていく店の相談をしながら帰路に着く地元の人たちを横に、
逃げるように会場を離れる自分がいた。

電車に乗らずに歩いて中心部に向かう。歩いていたかった。歩く以外になにもできなかった。
打ちのめされた。

どうせ日本には何もねえんだよ、何もねえんだ。

何度もぶつぶつとつぶやきながら、よろよろと歩き続けた。



ヴォティーフ教会。

トトロだ!



市庁舎前。スケートリンクの整備をしていた。







結局1時間ほど歩いてホテルまで帰った。


途中、ブルク劇場は大きなお月様のようだった。



Jun Tomono VIOLIN SCHULE
http://jt-violin.com/index.html

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