文化庁体験事業のワークショップ

  • 2012.10.24 Wednesday
  • 00:55
JUGEMテーマ:ヴァイオリン奏者





 今、うちのオケは文化庁事業の巡回演奏の時期です。

先週その事前指導のために、小中学校に何校かワークショップに出かけてきました。

楽器についての説明と、短い時間ですが演奏を聴いてもらう時間を設けています。

去年は確か、バッハの無伴奏とクライスラーの中国の太鼓を弾いたはず。

今年はもう少し音楽に色があり意味を含めたものを聴かせたいと思い、

イザイの無伴奏ソナタ2番を4楽章まで全部聴いてもらいました。

結果として、しっかり聴いてくれていたようなので安心しています。

もともと曲自体に19世紀の流行であったロマン的な内容、リストやベルリオーズのようなシンフォニックな構造や響きを明らかに意識し、かつヴィルトーゾのための曲。

曲全体はこれも19〜20世紀にかけ、多くの作曲家が引用した「Dies irae」の音列が支配しているやや重い印象の曲だと思います。

とくに今年個人的に身近にあったシリアスな事件がこの曲のストーリーに重なり、思い入れのある曲なのでした。

とても幸せな12分間。

それから、雰囲気を変えるためにアンコールではありませんが、バルトークのルーマニア民族舞曲から終曲の速い踊りを演奏しました。

結局一人で15分以上演奏して、子供としてはもういっぱいだったかも。
自分としては短いのだけれど。

その後の管楽器の2人の時間は大変だったかもしれません。。。





Jun Tomono VIOLIN SCHULE
http://jt-violin.com/index.html


奇跡の黄色の生涯

  • 2012.10.15 Monday
  • 22:59
JUGEMテーマ:日記


嫌いな人は嫌いだと思いますが、虫の話。
写真をとってそのままにしていたのですが、どうしても書きたくなった。

7月の終わりごろ、バルコニーに植えたイタリアンパセリが一向に増えないのでよく見たら、
黄色い小さいのが。

しばらく放って置いたら、見る見る大きくなった。このままではえさがなくなる!
パセリが食べられなくなったと少し文句をいいながら園芸屋に行き、新しくパセリの鉢を二つ増やした。


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終齢期に入ったころ写真を撮り始めた。
一生懸命食べている。おかげでパスタに使うはずだったパセリはお預けだ。
葉が全滅しないよう、時々違うパセリの鉢に移した。

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時々姿が見えなくなり、どこに行ったのだろうと心配をかけられる。
隣の鉢に勝手に移動していたりする。意外とグルメなのだろうか。


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少し遊んでみる。触ると嫌がって角を出す。親しき仲にも礼儀あり。
やわらかい。


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足がそれぞれグループごとに役割があるみたい。
前にある三対が、手の役割。お尻にある一対の動きがかわいい。




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まもなく、そわそわと、サナギになるためのしっかりした枝を捜し始める。

行方不明になりかけてあちこち探したり、レッスンで目を離した間にバルコニーの排水溝に向かって
コンクリートの上を突進しているのを相方が見つけ、危うく阻止したりとハラハラする日々が続いた。


少し太さがある枝にとまらせたところ、ようやく蛹の準備に入った。



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口から糸を出し体と枝を固定した。


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部屋の中に鉢を入れた。
夜の11時くらいだったか、少し目を離した間に蛹になっていた。
時々ピクピク動く。

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鉢の下には脱皮の跡が。


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蛹の期間になって3日目。色が濃くなってきた。

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7日目の深夜。羽の模様まで見える。
動きが頻繁になってきたので、見守るために部屋の中に入れた。


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午前2:00ごろ。次第に動きが大きく頻繁になってくる。

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羽が伸びる前に地面に落ちてしまうと、もうその羽は開かず地面を這うしかできないという。
少しでも足場があればと、幹に傷をつけておいた。

何か緊張が高まったある瞬間、サナギに亀裂が入った。
人の心配をよそに、成虫は力強く殻を破って出てきた。


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文字通り、変容。まったく違う生き物が産まれたように、
溢れる生命が感じられた。
すぐに羽が開き始めた。


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すでに、ストローのような口をすでにクルクルと遊ぶように動かしている。
お腹の形から女の子のようだ。

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体の湿り気、匂い。

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あっという間に立派な羽ができた。
幼児から青年期まで、この10分程度の時間が
まるで10年以上その成長を見守ったような感覚を覚えた。

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この、新鮮さ、美しさ、けなげさ、愛らしさ、なんと表現したらよいだろう。

なんという言葉の無力さ。

ただ、無事に育ってよかった。本当によかった。


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5:00を過ぎて。
まもなく来るであろうお別れ、締め付けられるような気持ちに
溺れてしまいそうなるのに耐え、鉢を外に出した。

本当に美しい。


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ふと、自分の能力を始めて知ったように、一瞬枝から浮き上がり、隣のアイビーに止まった。
もう時は、近い。

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最後に撮った写真。

まもなく何事もなかったように、彼女は朝日の中に溶け込んでいった。
しばらくの間そこから動くことができなかった。


それから数日間、脱ぎ捨てられた幼虫の皮とサナギの跡を見ては無気力な感覚に覆われた。




蝶の寿命は、およそ2週間程度。

彼女はどんな一生を経験したのだろうか。

あれから、見たことのある蝶を見かけるたびに、思い出してしまうのだ。


Jun Tomono VIOLIN SCHULE
http://jt-violin.com/index.html







ひさしぶりに日記

  • 2012.10.06 Saturday
  • 23:58
JUGEMテーマ:ウィーン
JUGEMテーマ:日記
 
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二ヶ月近く開いてしまいましたが、生きています。

この期間に、再びウィーンで勉強してきました。

今回は、郊外の教会と音大のホールで、2回演奏会に出させていただきました。

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ここではバッハを演奏。
自分の音より大きい響きが返ってきました。



今回は、オペラをいくつか見たのと、レッスンで学校とホテルの往復以外はほとんど引きこもっていたのですが、最後の日だけ散歩をしました。

オペラは、フォルクスオーパーで「こうもり」と「カルメン」を、
シュターツオーパーでR.シュトラウスの「アラベラ」を見ました。

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「こうもり」二幕のカーテンコール

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「カルメンの」カーテンコール。少ないキャストで奮闘していた。
歌詞がドイツ語だった。音節や子音が多いためだろうか、音楽の流れに対して、
やや言葉が後ろに引っ張るように感じられた。


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フォルクスオーパーのプロンプター。手が出ていた。
しかも、こうもりでは三幕で看守がプロンプターに話しかける場面がある。
「カルメン」のカーテンコールではホセがプロンプターと握手していました。
実際、影に徹しながらとても大事な役割のようだ。




以前も訪れた、Kahlenbergの丘で景色を見て、田園風景を眺めながら歩いて降りてきました。
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冬と違い、多くの人が訪れていた。



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あの塔があるところから降りてきました。

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葡萄を積んだトラックが来たので写真を撮らせてもらった。
この一帯はすべて、ふもとにあるホイリゲで作るワインのための葡萄畑のようだ。



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Grinzingのあたりに降りてきてそのまま、ベートーヴェン詣でに。

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ベートヴェンが1802年、「遺書」を書いた場所

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彼の髪の毛


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自筆のコピーが展示してある。

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ベートーヴェンのデスマスク



日が暮れたころ、アルベルティーナに到着。
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もちろんクリムトを見る。それとは別に、ここには私個人の「特別」がある。



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クリムトは、自分を含む多くにとって「特別」であるに違いない。

それとは別に、私個人の「特別」はとある宗教画のほんの一部である、この表情であるのだ。

私を支え、真に力を与える数少ないものの一つだ。



Jun Tomono VIOLIN SCHULE
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