本番の為の練習方法 

  • 2016.07.21 Thursday
  • 22:18

本番の日から逆算して練習期間を設ける。

 

1〜3曲程度だったら、難易度に応じて10日前〜2週間前から。

フル出演の自主リサイタルなどは5〜6週間前を目安。初見のプログラムは1週間プラス。

 

1日の練習時間はそれほど多くない。長くても2〜3時間の範囲で。

弾きすぎて気持ち的に息切れすることがある。本番で一番良い状態を作れるように焦って練習を増やさない。

 

練習期間を3期に分ける。

 

例えば前回のイザイは6週間前からの練習期間。もちろん初見ではないのである程度身体に入っていることが前提。

 

第一期間(2〜3週間)は、暗譜とテクニックの漏れやムラをなくす期間。

練習時間を10分から15分にコマ分けして、その時間内で1曲のある個所を分解して練習する。

今回のイザイは楽章単位にすると、15曲になる。

1曲につき、基本は1日1コマ。一日12〜15コマで3時間ほどでおさめる。

練習した個所を記録して、毎日新しい場所を練習する。当然全部は練習しない。ある楽章を弾かない日があっても気にしない。

やっていない分は次の日に回るので。

こうして曲を作るためのパーツを少しずつ各局同時進行で積んでいく。楽章ごとに長さの違いや難易度のムラはあるので、調整はする。

曲を通して弾くことは絶対しない。記憶が希薄な練習になり、完全に頭に入っていない段階では無駄に過ぎない。

少なくとも効率は悪い。

大体14〜20日これをやって、5〜10回は全曲全パーツに目を通すことになる。

 

第二期間の2週間ほどは通す練習を中心にする。

第一期間に各パーツを暗譜していることを前提として(もちろん完全ではない)1日にまず一回、全曲を暗譜で通す。

譜面をド忘れしても、テクニックが追い付かなくても、傷を残してとにかく最後まで通す。

同時にその際、本番を意識して立ち姿や顔に力が入っていないかチェックするために必ず全身鏡を見ながら通す。

イザイを、休憩挟まずぶっ通しで弾くと約65〜70分。体力と集中力のペースも覚えていく。

 

通し練習でうまくいかなかった個所は、傷として記憶に残る。

その日の残った時間(90〜100分)で、うまくいかなかった場所を第一期間のパーツ練習で修理しなおす。もちろんパーツを問題ではなくその曲自体のテンポ設定を問題であることもある。

ただ、やはりその日にすべてを解決することはないので、気にせず次の日に持ち越す。次の日の通し練習にどうしても弊害を感じる個所があれば、通す前に15〜20分その場所だけ確認してから、通し練習をする。

1週間ほどすれば、間違えや暗譜忘れは減ってくるので、録音を撮り始める。

 

残りの第三期間(残り10日)は、全体のバランス、各曲のテンポの設定に矛盾がないかなど演奏全体を1とした感覚で、通し練習の見方を変える。もちろんこの段階でも何か所か、テクニック的に?な部分はあるので詰める。

この段階になると暗譜がこなれた分、かえって曖昧な部分がちらほら出てくるので、改めて譜面を眺める時間を増やす。

録音も聞き直してテンポやテクニックのムラを修正する。

 

また、全体を眺めることで、全然違う発想の可能性を探す。3日前、2日前に、やっぱりこっちの解釈の方がええ!と気付く時もある。その時は惜しみなく変える。

 

根本的に記憶は1日前や、直前のものはいざというときあてにならないと思う。

ギリギリでも2日前までの練習した感覚で勝負する。

 

1日前はあまり練習しない。思いついた場所や楽章だけ、気の赴くままに弾いてみる。全然違う曲を弾くこともする。

 

当日は早いうちに弾いて、後は頬っておく。

 

3時間前に会場で通して、万が一何かあったら少しだけ悪あがきをして、後はほおっておく。記憶を信頼する。

 

本番直前は、好きなものを食べて寝る。

 

練習の段階でうまく運べているのであれば、何をやってもうまくいく。ストレッチやら呼吸云々は気休め。

 

 

結論

 

少しずつ練習する。一歩ずつ進む。山登りと同じ。

直前の詰め込み練習は避ける。

 

 

 

ヴァイオリン教室

Jun Tomono VIOLIN SCHULE

http://jt-violin.com/index.html

 

 

 

 

 

 

リサイタルの報告とお礼

  • 2016.07.09 Saturday
  • 05:24

 

 

先日、無事に無伴奏リサイタルを終えることができました。

 

ご来場いただいた方々、この場を提供して下さった教会を含め関係者の方にはとても感謝しています。

 

それから、イザイ。一番感謝するべき方なのだと思います。

音楽でやっていくことを自覚して以来、一人で練習していく過程で、スケールと数多くの練習曲、それから無伴奏曲は、コンチェルトやソナタよりも、自分にとってははるかに接する時間の長い優れた先生たちでした。

 

その中でイザイは自分のアイデンティティの一つとして心の支えで有り続けました。

学生のころから苦労させられつつ、弾けない弾けないと思いながら毎年1〜2曲、少しづつ温めてきたような気がします。

 

伝統的な演奏に近づけたかどうかはわかりませんが、今までの多くの教えを踏まえて、自分なりの構築方法はそれなりに体現できたのではないかと思います。

 

今回の良かったところ、また傷をつけたところをふまえながら、

自分の貴重なレパートリーとして、今後も弾いて批評を受ける機会を作っていこうと考えます。

IMG_9158 (2).JPG

 

 

 

今回も多くの頂き物。ありがとうございました。

IMG_8648.JPG

 

 

本番を終えてぼんやり考えて過ごしている中、3日後くらいに次回予定のソロプロジェクトの候補曲の譜面が届いた。

バッハとの組み合わせとして同時代の組み合わせを探した結果、はるばる地球の裏側から。茶色い分厚い封筒の匂いが好き。

そういえば1ヵ月前に注文したのだった。うむ、いいペース。しかし果たしてこの子たちを弾けるのか。。

IMG_9065[1].jpg

 

 

ヴァイオリン教室

Jun Tomono VIOLIN SCHULE

http://jt-violin.com/index.html

 

 

 

 

 

categories

recent comment

profile

search this site.

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< July 2016 >>

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM